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いつもと違う国技館
●さわやかな初夏の風に乗り、両国の青空に、ひらひらとはためく色とりどりの力士のぼり…。本来はこうなるのですが、今年の5月は異例の技量審査場所とあって、「がんばろう日本、力士一同」ののぼりが数本あるのみ。ちょっと寂しかったですなあ。
●私は10日目に国技館へ行きました。力士は携帯電話の持ち込みが禁止。入場する際、顔なじみの親方衆や世話人さんに「携帯、預けましょか?」って言うたら、「んな、あほな!」やて。お茶屋さんにはシャッターが下りていました。売店に土産物はなく、弁当とお茶だけで場内は飲酒もダメ。それでも、大相撲を心から愛するお客さんの熱い声援にこたえて、手に汗を握る熱戦が多かった。結びは白鵬と稀勢の里の大一番。私は昨年、九州場所での同じ取組で「白鵬63連勝でストップ!」を土俵だまりで見届けた歴史の証人の一人。ひょっとしたら…の予感もありましたが、白鵬の貫録勝ち。さすが横綱ですなあ。
●通常開催を目指す7月の名古屋では13人の関取昇進があるので、幕下上位の力士も必死。中でも頑張ったのが、東洋大出身の華王錦。幾度ものけがを乗り越えて10年で新十両。高見盛の付け人だった苦労人が、ようやく報われました。その高見盛と日大の同期で、幕内経験のある浜錦も、腰の病を乗り越えて史上最長ブランク38場所ぶりで十両復帰。力士の手本ですな。
●手本と言えば、大関魁皇。優勝した白鵬に勝って、歴代1位の白星記録まで「マジック1」。この1勝の瞬間を見るだけでも、来場所は価値がありまんなあ。
「読売夕刊カラー面/桂文福の一番太鼓」5/28付

