「ワク湧くドキ同期してんのう」

5月23日、大阪・難波千日前のワッハ上方演芸ホールにて「ワク湧くドキ同期してんのう」と題し、昭和47年(1972年)入門組の30周年を祝しての落語会が開かれました。
本来は5人で「ごてんのう」のはずだったのですが今回は残念ながら私と同門の兄弟子の鶴瓶兄サンが仕事上出演できなくて4人の会となってしまいました。
我ら花の47年組といえば、文枝門下の桂文福師、仁鶴門下の笑福亭仁福師、そして同期では年長の福三改め2代目森乃福郎師。

さてこの日の舞台、前座に鶴瓶門下の純瓶君は創作落語に挑戦。そして次が私の出番「あいらぶ松鶴」をと思ったけれど、演りたい気持ちをおさえた。これは私事で恐縮ながら、この秋に講談社より2冊目の本が出版されるので、その時期に独演会を開く予定となっている。

己でいうのは何ですが、爆笑間違いなしのこの噺、独演会まで封印し、この日はありし日の師匠松鶴が好きだった酔っぱらいの出てくる噺「うどん屋」を気迫で演った。今年17回忌になるというのに、どこかで師匠が見てくれている気がしたので、自然と熱が入ったのかもしれない。


続いての出演は仁福師。この男は昔からケッタイな魅力の持ち主で、いつものことながらひょうひょうとした芸風は持ち味の「寝床」。
そして仲入り後は、お待たせいたしましたとばかりに文福師の登場。そのサービス精神のスゴイこと。ナゾカケから始まり、小噺、相撲博士さながらの力感こもる大解説。それだけでもお客さんは大喜びなのに最後は裸になり、まわし姿に場内爆笑。頭にカズラをかぶり相撲甚句。
これにはさすがの私もマイッタ!裸で舞台を下りてきてどもりながら私に「ナナナ、ナサケナイ。ヨヨ嫁ハンもムム息子も来てんのに」私は死ぬほど笑った。

そしてトリを務める福郎師のひとり言「こんなあとに出られるかい」には、涙が出るほど笑ってしまった。その福郎師の舞台をソデのモニターで見ながら今度は私の独り言。「エライモンやなあ、2代目を継いだら、あのちっちゃい体が大きい見えて風格まで出てきてるがな」。そして楽屋ではシッカリ者の奥さんがテキパキと内助の功。その日の一句。
天国の師匠にとどけ 今日の声


朝日新聞朝刊(奈良県版 5月29日)
「笑福亭小松のよもやま噺」の記事より