| 今日はどんなイーベントー? |
| ●先日、岡山県のとある町に講演に出かけた時のこぼれ話をひとつ…。 「人権講演会」では堅いイメージがありますので、「文福のふれあい人権ばなし」と題して、落語あり、相撲甚旬あり、にぎやかに、楽しく、面白く、わかりやすく人権についてお話をさせてもらっています。各地へお呼ぴ頂きますと、「ふるさと寄席」の場合でも我々芸人だけに特別に、ええお弁当が出て、スタッフの皆さんとの差を感じる時があり、そんな時は「えらいすんまへんな〜、いい弁当出してもろて、いいべんとう、イベントー、今日は楽しいイベントやー」とか、おあいそでギャグを言いますが、かえって気を使います。人権についてお話させてもらうのであれば、その日の世話人さんと同じものでいいわけで、外でバザー等していれば、地方の方々の手作りのうどんや焼そばがうれしいのです。でもなぜか、芸能人、講師の“センセイ”には特別なものを、という認識があり、そういう前例を作っている講師も多いのでしょう。 ●さて、前出の町の公民館での舞台前、ものすごい立派なおりが届きました。わざわざ、となり町の料理屋さんからおとり頂いたそうで、ふたを開けると会席料理がぎっしり詰まっています。ありがたいような、申し訳ないような気持ちで頂こうとしたら、ご飯がないのです。どうやら二段重ねで、ご飯のおリが別にあったみたいです。舞台のあとで一杯飲むのであれば、これでいいんだけど、昼間やし、ご飯がほしいな〜と、かなり悩みました。そして決心して、役場の担当の方にいいましたら、「えーっ、これは失礼しました。料理屋さんご飯忘れたんですわー、ちょっと待ってて下さい!!」今からでは、料理屋さんに持ってきてもらうのも間に合わない、都会みたいにコンビニや弁当屋さんがあれば、ご飯だけ買えるがそんな店はない。役場の職員さんの家に電話をかけたけれど、もう「ご飯、皆食べてしもたよー」。気を使いながら待つ事20分。「お待たせしましたー」と、どんぶりに山盛りのわかめご飯が届きました。後でお聞きしたら、「小学校の給食のご飯、分けてもらいましたんです」。どうもご苦労様でした。けど、これ、もし反対に梅干とたくあんだけついたご飯のおりだけ届いてたら、言いにくかったでっせー。トホホー。 ●でも、各市町村をまわらせて頂くと、ほのぼのエピソードが、皆私の心の財産となります。そんな地道な活動が全国の人々に知ってもらえるチャンスがありました。 NHKラジオの長寿番組、55年の歴史を誇る「上方演芸会」井上アナウンサーの名調子で「上方のお笑いでお楽しみ頂きます上方演芸会、さっそく幕をあけましょう〜」。今回は宮崎県北諸県郡山之口町の町制40周年を記念しましての公開録音。松竹芸能のフレッシュコンビ「ラインバック」のお二人と私の落語が1本目。2本目は独特のおしゃべりの「ダックスープ」のお二人と、三味線名人、暁照夫(元・宮川左近ショー)・光夫のご両人。皆さんは収録当日のタ方に会場(山之口勤労福祉センター)に到着でしたが、私は前日(どうせ交通費、NHKから出ますので…)の昼に宮崎に入り、市内を流れる大淀川沿いにある宮崎観光ホテルに泊まり、川端康成先生ゆかりの「たまゆらの湯」に何度もつかり、宮崎地鶏で一杯やって、翌日のんびり、どんこう列車で宮崎から山之口町の青井岳駅へ。そこは山の中の無人駅、ブラブラ歩く事15分、青井岳温泉の露天風呂で湯ったり旅気分。名物チキン南蛮で腹ごしらえして、ゆっくり会場へ。地元の皆さんに取材?したおかげで、♪花はあじさい 芸能は人形浄瑠璃 歴史あり〜ア〜ドスコイ と、地域ネタ満載で大爆笑、大拍手が全国ネットで流れる事になり、ありがたかったです。 ●うれしい話をもうひとつ。文福一座の副座長、桂小福君が二代目福楽を襲名したのです。彼とは一門は違うのですが、師匠の福団治師匠と私、兄弟分のちぎりをかわしてもらっており、彼の入門以来25年にわたり、仲良くしてまいりました。私の新婚時代も、よく家に来ており、うちの嫁はんとも兄弟のような感じです。何とも言えない哀愁とペーソスがあリ、古典に新風を吹き込み、大阪文化祭賞奨励賞(平成11年)も受けています。彼の大師匠、三代目春団治師が昭和34年に、そして師匠の福団治師が昭和48年に、道頓堀の角座で襲名披露を行ない、彼も、復活した「角座」で3日間と、三代にわたっての披露興行で「福楽」の名付け親、露の五郎師も加わっての披露口上。感動で胸が熱くなりました。神戸「もとまち寄席 恋雅亭」での興行では、私も口上に並ばせて頂き、高座では相撲甚句で ♪皆さま方に 福をよび〜 楽しい気分にいざなって〜 うれし涙を“フクラク”よ〜 ア〜ドスコイドスコイ。 「神戸月刊センター5月号より抜粋」 *文中のNHKラジオは5月28日(金)夜9:30放送予定です。 |